乃村工藝社グループはコロナ禍でのシステム全面刷新で働き方改革とガバナンス高度化をどうやって実現できたのか?

~内装・建築から飲食・物販まで~

株式会社乃村工藝社様

導入前の課題と効果

導入前の課題

  • コーポレートガバナンス強化
  • 複雑化・老朽化したシステム刷新とDX推進
  • 働き方改革関連法、電子帳簿保存法などの法令順守への取り組み

導入効果

  • 会計・人事・原価・販売管理を一元化するシステム基盤によりグループ全体のガバナンスを強化
  • 分散したDBを統合し、経営の見える化に向けたデータ分析基盤の構築
  • 法令対応や業務プロセスの効率化などにより年額4億円の運用コスト削減を見込む

「Biz∫」導入経緯と選定理由

システム更改の背景を教えてください。

株式会社乃村工藝社
総合企画本部 経営企画部 部長
中村 久 氏

中村様

当社は、店舗やオフィスのインテリア、展示会イベントでの装飾デザイン、企業のプロモーション支援と幅広く事業を展開しています。空間を創るだけでなく、お客様が運営する施設内のショップや飲食店の運営にも携わるなど、施設の活性化にも寄与することでお客様企業のバリューチェーンになるというコンセプトでサービスを提供しています。このように事業が拡大・多角化する中で、既存のシステムが合わなくなってきました。
また、ビジネス環境の変化、働き方の多様化といった課題にも対応する必要がありました。
そこで、2017年に新IT中期計画を策定し、コーポレートガバナンスの強化、働き方改革、インフラ基盤の整備と大きく3つのテーマを掲げました。その実現のための施策の一つが基幹システムの刷新でした。グループ全体での業務効率化を図り、経営管理の高度化を目指しました。

株式会社乃村工藝社
管理統括本部 総務管理本部 IT部 部長
石松 昇 氏

石松様

建築工事を主体とした会計システムを10年以上全社で使っていたのですが、拡張性が低く限界がきていました。建設業、飲食業、物販業など多岐にわたる事業や人の管理を一元管理できる仕組みが求められていました。旧システムの保守期間終了がトリガーとなり新システムへの刷新を決断しました。

「Biz∫」採用の理由を教えてください。

中村様

大企業向けから中堅企業向けのパッケージまで、一通りプレゼンテーションを受けて比較検討しました。選定にあたっては、当社の規模や事業への適合性、経済性、品質、サポート面から総合的に判断しました。Biz∫は実績も豊富でしたし、国産であることも安心材料でした。
また、社内のITリテラシーがさほど高くないため、ユーザビリティの高さという点は非常に意識しました。

ベンダーとしてビジネスブレイン太田昭和(以下:BBS)を選定した決め手は何でしょうか。

中村様

RFPの評価が高かったことはもちろんですが、企業規模含めて当社と一緒になって取り組む意気込みを感じました。BBS様は会計業務の知識が豊富、かつITにも強みをお持ちなので、両面を理解して進める橋渡しとして期待したことも大きかったですね。

石松様

会計制度が毎年のように変わるため、法改正対応への提案力やシステム構築力など監査法人の系譜や歴史があるBBS様の業歴を含めて評価しました。

新基幹システム構成図
新基幹システム構成図

導入プロジェクトと導入効果

本体とグループ含め9社の会計・販売・原価・人事アプリケーションの同時更改を短期間で実現されました。導入プロジェクトについてお聞かせください。

中村様

当初は約1年半の計画が新型コロナウイルス(感染症)で延伸し、約2年がかりとなるハードなプロジェクトでした。実はRFPの段階で「間に合わせる自信がありません」と降りたベンダーもいたくらいです。
そこで、プロジェクトスタート時には「これは時限爆弾の導火線に火が付いたプロジェクトだ、我われにはわずかの期間しか残されていない」と呼びかけました。

緊迫した様子が伝わってきます。どのような体制で進めたのですか?

中村様

IT部門としては、少ない人数でしたので専任者を置くことに苦労しました。既存システム担当の仕事を棚卸し、他メンバへの移管や外部からの出向受入・一部外注化などを行い、専任者を作り出しました。約10年ぶりの基幹システム刷新となるので、ほぼ全員が未経験です。社外から最新の情報を入手し、最高の提案をパートナー会社から頂き続けるために、上級コンサルにIT部門の立場で参画いただきました。プロジェクト推進体制としては、グループ会社や他部門長に理解を仰ぎタスクフォースチームを多数編成しました。
プロジェクトリーダーとしての私の仕事は、経営合意をとり予算を取る、人員リソースの確保、進捗管理の大きく3つ。予算化とリソース確保については、理解ある上司に恵まれましたし、勝負所だと会社も認めてくれたので一気に進みました。
進捗管理については、週次会議で状況を把握し問題に即対応しました。
新型コロナウイルス(感染症)の影響が出始めた時点では、別のプロジェクトとして進めていたインフラ環境が整い全員在宅勤務をしても支障ない状態にまでなっていました。2月の社員総会は初のオンライン開催で実施しています。長期化し在宅勤務も経常化することを前提に、サーバークラウド化、経費精算のモバイル対応、働き方改革とコーポレートガバナンス強化の両方の実現に向けて、急ピッチで進めました。

石松様

新システム導入に合わせて社内のルールも変えました。「導入するシステムに合わせて規定を変える。規定は変えるが導入するシステムは変えない」という方針でしたので、決裁基準を変えるためのプロジェクトを個別に立ち上げるなど、システムと業務の見直しを両輪で行いました。

コロナ禍で、プロジェクトにどんな影響がありましたか?

中村様

システム開発自体の影響は少なかったです。むしろ、ユーザーである従業員にいかに浸透させるかという面で影響が出ました。具体的には操作方法の講習会が対面で実施できなくなり、決算期の稼働はリスクが大きいと判断したのが延伸の一番の理由です。
結果的には、延伸の間にオンラインでのやり方を模索しながら稼働に備えることができました。オンライン社員総会の経験をヘルプデスク運営に活かしたり、配信時の視聴率データを講習会の参考にしたりとノウハウも得られました。
BBS様の協力にも感謝しています。オフショアでのコロナ対策を提案いただきました。コロナ感染が起きクラスターが発生しても絶対に開発が停止しないように開発部隊を大きく3つに分けて進めていただきました。

2020年9月に稼働し翌年2月に半期決算を終えたとのことですが、現在の稼働状況はいかがですか。

中村様

決算はトラブル無く、日程も遅れることなく終えることができました。稼働時のユーザーからのクレームもほとんど無く拍子抜けしたくらいです。
去年は新旧システムを並行運用しての決算だったのですが、監査結果も問題なく、スムーズに新システムに切り替えることができました。将来の事業拡大や制度変更に迅速に対応し、ガバナンスの強化や経営の高度化実現のためのプラットフォームが整いました。

石松様

業務効率化の面でも効果が出始めています。
派遣社員の勤怠管理は紙から脱却してオンライン化したことで、追跡作業や入力ミスが無くなりました。勤怠や経費データと基幹システムが連携し、経費精算のモバイル入力対応を行ったことで業務のスピードアップとユーザーの利便性向上が実現しました。
その他の合理化やサーバークラウド化による保守コスト減などにより、年間総額約4億円の削減効果を見込んでいます。

株式会社乃村工藝社
管理統括本部 総務管理本部 IT部 開発課 課長
東 崇城 氏

東様

会計年度更新の際の業務停止期間を圧縮できました。これまでは半年前から準備して、更新の間は数週間ほど経理業務がストップせざるを得ない状況だったのですが、切り替えも速やかに行えるようになりました。
開発規模とスケジュールが相当厳しくて途中くじけそうな時もありましたが、無事にシステム更改プロジェクトを成功させることができてほっとしました。

今後の展望

今後のご計画についてお聞かせください。

中村様

次のステージは、サービスへの展開です。
直近では、新たな収益認識基準への変更対応が控えています。
経営の見える化に本格的に取り組み、日次の収益管理や案件毎のリアルタイムな人員管理など意思決定の迅速化につながる活用を進めたいですね。
今回の刷新で、テレワーク、オンラインコミュニケーション、モバイル対応など従業員の働き方が進化しました。これからもITを活用して当社グループのサービス品質を高め、お客様の事業や社会に貢献したいと考えています。

パートナーからの一言

乃村工藝社様の高いマネージメント力がプロジェクト成功の一番の要因です。
大規模かつ短期間という厳しい要件でしたが、乃村工藝社様と弊社との“ワンチーム”で進められたこと、心から感謝申し上げます。
プロジェクト期間中は、弊社役員も含めて定例会に参加させていただき即断即決に努めました。問題が発生した時には「お互いの悩みは遠慮せず話し合おう」とフランクに相談に乗ってくださり、一緒になって解決方法を考えることができました。
今後の新会計制度の導入や法改正、改善対応についてもご協力させていただき、乃村工藝社様の発展に全力を尽くしたいと考えております。

(株式会社ビジネスブレイン太田昭和)

<企業紹介>

株式会社乃村工藝社
1892年の創業以来、約130年間にわたり商業施設、オフィス、ホテル、美術館、展示場などさまざまな施設の内装・デザイン、制作施工などを手掛けています。空間創造だけでなく、乃村工藝社グループ全体で飲食・物販店舗の運営からイベントの運営、メンテナンスまで幅広く事業を展開しています。