脱Excel!データ集計を3日から10分に短縮
~Biz∫を基盤にデータドリブン経営に向けた推進と、
新収益認識基準へのスムーズな移行~
目次
導入前の課題と効果
導入前の課題
- 新収益認識基準へ対応した会計システムの構築が急務
- 予実管理などにおける手作業に依存したデータ集計からの脱却
- 全社的なデータ活用による高度な意思決定の実現
導入効果
- Biz∫に実装された標準プロセスにより、新収益認識基準に対応
- 予算や受注見込みなどの情報をBiz∫に一元化することで、データ集計が3日から10分に短縮
- BIツールによる分析結果をダッシュボード上で共有するなど、データドリブンに向けた基盤を構築
「Biz∫」導入の背景
このたびの会計システム再構築の経緯を教えてください。
中谷様会計システム再構築の決裁が下りたのは2020年4月頃で、背景には大きく2つの流れがありました。1つ目は、新収益認識基準の適用開始が2021年4月に控えており、その対応をスクラッチで開発したのでは多大な工数がかかって時間的にも間に合いませんでした。
2つ目は、経営のスピードアップを図るためにもさまざまな業務のデジタル化を加速することが必須となっており、パッケージの良い部分を積極的に取り入れていこうという機運が全社的にも高まっていました。
海老原様現実問題として新収益認識基準に対応するためには、原価計算の単位や受注管理のやり方など、会計システムを根本から見直さなければなりませんでした。既存の会計システムは
20年以上前に構築し、財務会計ベースの管理を基本とするものでした。
よって、現在のビジネスを取り巻く状況や内部統制を踏まえると、実際の業務とシステムとの間で乖離が進んでおり、小手先で修正するよりも新しいパッケージを導入したほうが得策という判断に至りました。
「Biz∫」選定理由
「Biz∫」の採用に至った理由を教えてください。
中谷様
ベンダーロックインされることを避けたく、オープンなERPパッケージを求めていました。弊社では会計周辺のさまざまな業務について、その時々で最適なソリューションを組み合わせて利用するという方針をとっております。Biz∫はそうした他のソリューションとも
柔軟に連携できるオープンなプラットフォームであるという点が我々のニーズと合致しました。
海老原様
NTTデータ・ビズインテグラルさん自身が業界のことを熟知していることから、Biz∫が当社システムにマッチしていると思いました。
私たちの困りごとについてもすぐに理解していただき、非常に大きな安心感がありました。
また、さまざまな業界に精通しているBiz∫パートナーの存在も魅力でした。今回の導入パートナーはIT業界に多くの実績をもつキーウェアソリューションズさんで、こちらで開発されたプロジェクト採算管理・役務購買統合テンプレート for Biz∫ を紹介していただいたことも選定の大きなポイントとなっています。
導入プロジェクト
2020年の春頃に要件定義に着手されたと伺いました。その後の導入プロジェクトについてお聞かせください。
海老原様
経理部門と情報システム部門、さらに営業部門と各事業部門からメンバーを集め、十数名の体制でプロジェクトをスタートしました。
パッケージを導入する以上、そこに実装された標準プロセスに業務を合わせることを原則としています。とはいえ現場でしか知りえない制約条件や運用上のルールなどもあることから、営業部門や事業部門にも要件定義の段階からプロジェクトに参加してもらい、要望を事前に引き出すことにしました。
中谷様
やはり押し付けのシステムではなく、全社一丸となって作り上げていくことを重視しました。これによってはじめて、
新システムに対する利用者の納得を得ることができます。
ただ、プロジェクトの過程ではさまざまな苦労もあったのではないでしょうか。
海老原様
プロジェクトがスタートした2020年4月は新型コロナウイルスの感染拡大がはじまり、緊急事態宣言が発出された時期です。
私たちも色々と模索しながらWeb会議を通じて打ち合わせを進めたのですが、オンラインに不慣れなメンバーも多く、
関係者を調整するのにも手間取りました。
しかし、そんな苦労を重ねながらも皆で議論を深めてきたからこそ、プロジェクトを成功に導くことができたと自負しています。
導入後の効果
Biz∫を導入したことで業務はどのように変わりましたか。
海老原様
2021年1月から順次新システムがカットオーバーし、同年4月の全機能リリースで新収益認識基準への対応を完了しました。これに伴い案件を登録する時点から業務プロセスは変わりましたが、なかでも大きく変わったのが予実管理です。
従来は、会計システム上で予算が管理されておらず、営業部門の担当者が個別にExcelで予算を管理していました。したがって予算の進捗状況を把握するためには、経理部門が営業部門の各担当者からExcelシートを集めて集計する必要があり、月に1回程度の頻度でしか行うことができませんでした。また、手作業での集計には転記漏れや誤入力などのミスが避けられないため、3日ほど検算や確認作業が必要でした。
すべての予算がBiz∫上で管理されるようになった現在は、そうした手間がなくなり、わずか10分程度で最新データによる集計が完了し、予実情報を把握することが可能となりました。
中谷様
加えて受注のフォーキャスト(予測)精度も大きく向上しています。以前の会計システムでは水面下に隠れて見えなかった受注見込みの情報も、今はBiz∫に登録することで把握できるようになりました。これによってデータドリブン経営が大きく前進しました。
今後の展望
今後に向けてはどんな計画や構想をお持ちですか。
中谷様
今後さらに注力していこうとしているのがデータ分析・活用です。Biz∫には会計データのほか、プラットフォームとして周辺システム
からもさまざまなデータが集まってきます。これらのデータを統合的に分析することで、より迅速な意思決定やアクションに活かして
いきたいと考えています。
実際に、ある事業部門では、すでに事業部長自らがBIツールを使ってダッシュボードを作成し、データ分析結果を部門横断で
公開しており、関係者間で共有するといった取り組みも始まっています。経営の立場からも、ある程度の権限を設定した上で、
さまざまな元データを公開・提供することで、同様の動きを全社的に広げていきたいと思います。
プラットフォームとしてのBiz∫には、今後どんなシステムとの連携を図り、データを取り込んでいきたいとお考えですか。
海老原様
人事部門とも協議の上で、勤怠管理システムのデータも取り込みたいと考えています。進行中の各ITプロジェクトに対して、誰が、
どれくらいの時間を費やしているのか、案件と勤怠情報を紐づけて把握できるようにすることで、より精緻かつ迅速な原価管理を
行うことが可能になるのではと期待しています。
パートナーからの一言
アイエックス・ナレッジ様の目指していた管理会計の強化および、新収益認識基準に対応した基幹システムには、Biz∫とintra-mart、弊社の提供するプロジェクト採算管理・役務購買統合テンプレート for Biz∫の組み合わせが最適と考え、ご提案させていただきました。
大規模なプロジェクトかつ、コロナ禍での対応ではありましたが、インソースを含めたプロジェクト体制を組成したことで、スムーズにプロジェクトを開始することができました。
また、各部門の関係者様にはプロジェクトの初期段階から積極的にご参画いただき、レビューや試験等、多くの時間と労力をかけて取組んでいただいたと認識しており、アイエックス・ナレッジ様のお力添えには大変感謝しております。
弊社は、自社へのBiz∫導入をはじめ、ITサービス業様への導入実績が多く、IT業界特有のプロジェクト管理や管理会計についての知見を持っていたことが、アイエックス・ナレッジ様に信頼をいただいた一因であり、このプロジェクトに寄与できたと考えております。
今後ともアイエックス・ナレッジ様の業務改善に向けた取組みを全力でご支援できればと存じます。(キーウェアソリューションズ株式会社)企業紹介
アイエックス・ナレッジ株式会社
コンサルティングからシステム開発、保守、運用までワンストップで高品質なITソリューションを提供する独立系システムインテグレーター。多様化する顧客のニーズに応えるため、「先進と信頼のソリューション」を掲げ、自らの技術・ノウハウを磨き市場の胎動を捉えつつ、新たな情報サービスにチャレンジしている。
https://www.ikic.co.jp/- 本文に記載の情報は、2023年3月時点のものです。
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