【背景】
日本企業を取り巻く経営環境は、構造的な人口減少による慢性的な人手不足や、雇用市場の流動化・早期離職の増加により、大きな転換期を迎えています。経理部門においても、経験人材の採用難や属人化した業務プロセスの継承リスクが顕在化しており、業務の継続性確保と統制強化が喫緊の課題となっています。

加えて、生成AIをはじめとするデジタル技術の進展により、企業のバックオフィスは「効率化」から「価値創出」へと役割転換が求められています。経理業務はシステムとの連携度が高く、単なるアウトソーシングでは十分な成果を得られにくい領域です。業務とシステムを一体で最適化するBPOモデルこそが、精度の高いデータ活用、統制の強化、ガバナンス向上の実現に不可欠です。

ＮＴＴデータはこれまで、ＮＴＴデータ・ビズインテグラルが販売するERPパッケージソフトウエア（統合基幹業務システム）「Biz∫」を、中堅～大手企業を中心とした約2,000社のお客さまに導入し、お客さまのグループ経営の高度化に寄与してきました。またＮＴＴデータ・ウィズ、BBSアウトソーシング熊本は、BPO事業を通じてお客さまの業務改善やコスト削減、業務の効率化、高品質な業務運営を実現してきました。

【概要（特長）】
ＮＴＴデータ、ＮＴＴデータ・ウィズ、ＮＴＴデータ・ビズインテグラル、BBSアウトソーシング熊本は、経理領域において包括的な支援を行うため、2025年12月1日に業務提携契約を締結しました。これにより、以下の取り組みを推進します。

• 経理領域のビジネスプロセス・リエンジニアリング（以下、BPR）サービスを提供します。本サービスは、業務面、システム面の両方において、現状把握や課題抽出を行い、高度化、効率化に向けた戦略や方針の策定を実施するものです。
• 定型業務および各業界特有の専門性の高い業務におけるBPOサービスを提供します。併せて「Biz∫」サービスの提供で培ったノウハウや強みを生かし、BPOサービスの品質向上に取り組みます。

【各社の役割】
・ＮＴＴデータ： BPR、BPO、IT導入に向けた業務・IT両面のコンサルティングサービスの提供、お客さまの状況を踏まえたソリューションの提案
・ＮＴＴデータ・ウィズ：BPO導入に向けたBPR支援およびBPOサービスの受託
・ＮＴＴデータ・ビズインテグラル：BPOサービスの実現に向けた、「Biz∫」製品の提供
・BBSアウトソーシング熊本：専門性の高い業務を含めたBPO導入に向けたBPR支援およびBPOサービスの受託

【今後について】
ＮＴＴデータは、阪急阪神ホールディングスグループの経理業務における高度化・効率化を支援するため、BPO導入やDXサービスを提供します。
その一環として、ＮＴＴデータ、ＮＴＴデータ・ウィズ、ＮＴＴデータ・ビズインテグラル、BBSアウトソーシング熊本の４社は、2025年12月より、同グループの経理業務を担う阪急阪神ビジネスアソシエイトとともに、業務標準化およびBPOサービス設計を開始します。2026年度からの本格導入を見据え、グループ全体での業務最適化と持続的な改善を推進します。

今後は、この取り組みで得られる知見と仕組みを汎用化し、鉄道をはじめ多様な業種・業態に展開していくことで、経理業務のさらなる高度化と効率化を実現します。業務とテクノロジーを統合した新しい経理運営モデルを社会に広く提供し、企業の経営基盤強化に貢献していきます。

注1：鉄道業界における業界特有の専門領域は、固定資産管理、連結決算、決算開示等の業務を想定しています。
＊「Biz∫」は、株式会社ＮＴＴデータおよび株式会社ＮＴＴデータ・ビズインテグラルの登録商標です。
＊その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。