テレビ東京グループの会計システムをBiz∫で刷新
~放送業会計テンプレート「J's-TV」で多角化するメディア事業の進化をサポート~
目次
導入前の課題
- 旧システムを長年利用しており、法改正や新規事業への対応も困難に
- 紙の伝票がベースであるためスタッフが起票のために出社する必要があった
- コンテンツごとの収支を把握するのに、時間を要した

導入効果
- 放送業界で実績のあるERPパッケージ「Biz∫」の導入によって法改正対応や新機能導入も容易に
- ペーパーレス化により業務プロセスの抜本的な改革に成功。データ利活用基盤の確立
- 放送業界向けのテンプレート「J’s -TV」により、コンテンツごとの収支などもすぐに把握。スピーディな経営判断へ
「Biz∫」導入経緯
― 貴社の現状のビジネス、長期的に目指している姿についてお聞かせください。
倉持様

テック開発局 DX開発センター 副部長
倉持 雅士様
テレビ東京グループは、コンテンツ制作力を強みに、経済・バラエティ・アニメなどの分野で多くのファンに支持されてきました。現在は放送の枠を超え、デジタル・グローバル・イベントなどあらゆる接点でコンテンツ価値を最大化させる戦略を推進しています。
― 会計・経理業務における課題をお聞かせください。
倉持様
テレビ局の事業構造が配信や海外事業等にも拡大しているなか、放送事業に特化して設計された会計システムが、経営判断の迅速化を阻害するボトルネックになっていました。具体的には、複雑化する収益に対する予実管理の粒度不足、紙の帳票を前提としたプロセスによる非効率さなどの問題をもたらしていたのです。そのため、アジリティを求める経営とのギャップが生まれていました。
梅村様

経理局 経理部
梅村隼様
経理はすべて紙の伝票で処理しており、毎日伝票の処理と承認作業に追われていました。 それらの伝票や関連する書類は膨大であり、年間で約60万枚にのぼります。それらを経理倉庫という専用の倉庫に保管しなければいけないのですが、容量が足りず定期的に外部の倉庫へ送る必要もあったのです。
「Biz∫」選定理由
― システム検討に至った背景ときっかけ、導入までの経緯をお聞かせください。
倉持様
直接のきっかけは、以前のシステムが約30年間使い続けたシステムだったことです。保守の限界を迎えただけでなく、法改正への対応や新しい事業を立ち上げる際の拡張性、内部統制やガバナンスの徹底にも課題がありました。
大平様

経理局 経理部長
大平 靖幸様
会計システムから抽出されるデータにもかなりの制約がありました。そのためデータをいろいろな視点から分析し、広く有効活用したいという希望に応えることができなかったのです。
倉持様
「働き方改革」と「データ活用」ヘの強い危機感も刷新を後押ししました。放送局という公共性の高いインフラを維持しつつ、時代に即した働き方を進めながらデジタル競争力を強化するためには、レガシーからの完全脱却とクラウドネイティブな環境への移行が不可欠です。そこで、これまでに培った30年分のデータを整理し、次の30年を支えるデジタル基盤を作るというミッションのもと、プロジェクトが始動しました。
― 製品としてのBiz∫に対する印象をお聞かせ下さい。
梅村様
以前のシステムとは使い勝手が異なるため、当初は戸惑った場面もありました。しかしBiz∫は貸方、借方が一画面の中で左右に表示されるため、経理の知識があれば仕訳の全体が一目で把握できます。すぐに慣れて、以前よりも使いやすいと感じるようになりました。
倉持様
Biz∫のパッケージをベースにしているため、日本の会計基準や税制だけでなく、電子帳簿保存法やインボイス制度、新リース会計基準などの法制度にも迅速に対応してくれます。
― 今回導入した会計システムの機能について教えてください。
倉持様
Biz∫をベースとする「財務・管理会計」システムを中心に、番組の制作費や予算の入力、起票を行う「フロント」部分、データの活用を行う「BIツール」を組み合わせた三段構造になっています。 テレビ局特有の機能としては、番組制作費の入力やギャラの伝票起票時に、単なる金額だけではなく、「権利などの関連情報」を入れることが可能になっています。
梅村様
今回導入したものはいわゆる基幹システムであり、全社の核となる存在です。そのため、テレビ局の運営で必要となる支払いなどの処理は幅広くカバーしています。また、売上などを扱う別の営業システムとの連携機能も導入しています。採用を決定した後、プロジェクトは2020年の4月から始動し、2024年の8月にカットオーバーを迎えました。
導入パートナー
― 導入プロジェクトはJSOLが実施しました。導入ベンダーとしてJSOLを選定した決め手は何ですか?
倉持様
放送業界特有の商慣習に対する深い知見と、NTTデータグループなので技術力がある点が挙げられます。特に、他局での大規模な会計システムの刷新実績は大きな安心材料でした。
大平様
コンテンツの二次利用など、テレビ局特有の経理処理は少なくありません。汎用的な会計システムだと対応しきれない部分もあったのですが、JSOLが提供する放送業界向けのテンプレート「J’s -TV」を使えば、そういうテレビ局特有の機能に対応できました。選定にあたっていくつもの会社に声をかけ、特有の機能について確認をとったところ、多くの項目で対応可能と答えてくれたのがJSOLでした。
本稼働後の効果
― 導入効果についてお聞かせください。
倉持様
大きく3点の効果がありました。1つ目が業務プロセスの抜本的な改革。2つ目は会社としてのガバナンスの強化。そして3つ目が、データ利活用基盤の確立です。
1つ目の業務プロセスの抜本的な改革によって、全社的なペーパーレス化と電子承認が進みました。現在では物理的な制約から解放され、場所に囚われない業務が可能になっています。 2つ目のガバナンスの強化では、職務分掌に基づく厳格な権限管理とシステムログの可視化により、内部統制のレベルが一段高まったと感じています。 そして3つ目のデータ利活用基盤の確立によって、既存のインフラがクラウドと統合、BIツールとも連携したことで、財務データのリアルタイムなマネジメントが実現しました。
大平様
今までは伝票の内容に誤りがあった場合、その都度、紙を持って聞きに行く必要がありました。しかしペーパーレス化が進んだことにより、システム上のやり取りだけで解決できる場面も増え、確認作業の効率化が大きく改善しています。 また、データを取り出しやすくなったことで、別のシステムや資料への展開も柔軟に行えるようになりました。
梅村様
電子化により、法改正対応にかかる手間も省けています。電子帳簿保存法やインボイス制度の対応など、経理が正しく処理しなければいけないことがありますが、以前は紙データを電子化するといった手間が必要でした。そうした作業から解放された点は非常にありがたく感じています。
― グループ会社への展開や、現場スタッフへの効果はありましたか?
梅村様
2024年8月のカットオーバーの段階ではテレビ東京、テレビ東京ホールディングス、BSテレビ東京の3社に先行導入していました。その後グループ11社でも稼働が始まり、全社で同一のシステムになったことで、数字の不一致がほとんどなくなっています。これは会計として非常に大きなメリットです。
倉持様
テレビ東京としての会計基盤が整ったことで、グループ間のデータや売上、費用などのやり取りが一つのシステム上で完結するようになりました。以前なら数日かかるような会計、伝票処理も、タイミングが合えば一営業日以内に終わるほど効率化されています。
― 社内での評価についてお聞かせください。
大平様
このプロジェクトは2025年に創設された社内の表彰会において第1回グランプリを受賞しています。導入に際しては、数年にわたってさまざまなワークショップを重ねてきました。そのような取り組みを経て、各セクションのメンバーやJSOLの担当者などの協力によってスケジュール通りに稼働できたという点も獲得した大きな要因と感じています。
将来展望
― 今後の将来展望についてお聞かせください。
倉持様
今回の刷新で蓄積される「会計システムのデータ」をさらに活用し、テレビ東京の抱えるIPコンテンツに対する投資の要否や妥当性の判断をより正確に進めていきたいと考えています。 また、システムの刷新によって、現場の社員が詳細なデータを把握し、それに基づいた目標値を設定できるようになっています。そのような現場目線のデータをボトムアップしつつ、経営層が提示するトップダウンの数字との間に整合性を取ることで、会社として管理できる数字のコントロールの実現を期待しています。
大平様
今後はAIの活用による業務効率の向上を進めるために、なるべく人の手を介さない業務フローや資料作りの仕方、各種報告の仕組みを考えていきたいと思います。今回コンテンツごとの収支をはじめとしたさまざまなデータを活用できる仕組みを進めていますが、今後はさらにそれを発展させて、経営判断の役に立つデータを生み出せる仕組みへと成長させていきたいと考えています。
企業紹介
会社名 株式会社テレビ東京ホールディングス
平成22年設立。関東広域圏を対象地域として放送事業を展開するテレビ東京グループの統括運営を行う認定放送持株会社。「ちょっといい明日のために。」という企業理念のもと、コンテンツ制作などのクリエイティブな活動を支えている。

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