40万件規模の顧客基盤を持つ
リコーリースの会計業務を支える「Biz∫」

法改正・旧システムのサポート終了の課題を解決し、金融サービス業の厳格な要件に応える会計基盤として安定稼働

導入前の課題

  • 旧会計システムの保守サポート終了が迫り、頻繁な法改正や会計基準の見直しへの迅速な対応が困難だった
  • 旧会計システムは検索性が低く、実務上の使い勝手に課題があった
  • 旧会計システムは承認プロセスがシステム内で完結せず、非効率な作業が発生していた
矢印のイメージ図

導入効果

  • クラウド対応ERP「Biz∫Optima」の採用により、法改正への迅速な対応・初期コストの抑制・運用負荷の軽減を実現
  • キーワード検索が可能になるなど検索性が大幅に向上し、必要な情報への迅速なアクセスを実現
  • 会計システムと連動したワークフロー機能による申請・承認プロセスの可視化・効率化

Biz∫導入経緯

― 貴社の事業についてお聞かせください。

鈴木様

鈴木 圭輔 様
リコーリース株式会社
経営管理本部 財務部
経理運用課 課長
鈴木 圭輔 様

リコーリースは、約6,000社のベンダー様を通じて約40万社のお客様と取引をしています。「リース&ファイナンス事業」を基軸に、集金代行や介護ファクタリングなどを含む「サービス事業」、そして太陽光事業や不動産信託などを手がける「インベストメント事業」の3つのセグメントで、お客様に幅広い金融サービスを提供しています。

経営理念「私たちらしい金融サービスで豊かな未来の架け橋となる」を掲げており、現在は特に「as a service分野」と「BPO分野」の2つのビジネスモデルに注力しています。 as a service分野では、モノの所有から利用へのニーズ変化に対応したサービスを、BPO分野では労働人口不足といった企業の経営課題解決に貢献するサービスを提供しています。弊社自身も営業車を所有からカーシェアに切り替えるなど、効率性や環境負荷の削減を追求しています。また、太陽光事業では自社で500サイト以上を運営する中で培ったノウハウを、他社の事業者様へ提供するといったBPOも展開しています。

― Biz∫の導入に至った経緯、課題についてお聞かせください。

山本 宗臣 様
リコーリース株式会社
経営管理本部 財務部
経理運用課
山本 宗臣 様

鈴木様

最大のきっかけは、利用していた会計システムのサポートが終了することでした。これを機に、頻繁に行われる法改正や会計基準の見直しに対して、迅速に対応できるシステム基盤を構築したいと考えました。従来の課題としては、法改正への対応が後手に回り、タイムリーなアップデートを行えていない状況でした。 また、旧システムのサポート体制にも不安があり、問い合わせの回答を得るまでに時間を要することもありました。

山本様

実務面では、使い勝手も課題でした。例えば、検索性が低く、伝票を調べるにも伝票番号が分からないと検索できないことなどです。名称やキーワードなど様々な切り口で柔軟に検索できれば良いなと感じていました。

Biz∫選定理由

― Biz∫を選定した理由についてお聞かせください。

佐藤様

佐藤 哲也 様
リコーリース株式会社
グループIT統括本部 情報システム部
業務システム課
佐藤 哲也 様

製品の選定にあたっては、4社ほどのパッケージを比較検討しましたが、 その中で「Biz∫」を選んだのは、標準機能が豊富でありながらもカスタマイズにも対応できることが決め手の一つです。intra-martを基盤とする「Biz∫」は、基本はパッケージの標準機能に業務を合わせつつも、どうしても譲れない要件がある場合に柔軟な対応が可能です。将来の事業変化にも対応できると考えました。国産ERPとしての評価が高かったことも安心材料でした。デモの場で実際の画面を確認して、使いやすそうだと感じました。

「Biz∫」を提案したさくら情報システムは、20年以上にわたり弊社の基幹システムの保守を手がけており、業務品質や技術力に絶大な信頼を置いていました。将来的に基幹システムの再構築を計画している中で、基幹システムを熟知している安心感は大きく、会計から基幹まで一貫してのサポート体制は非常に魅力的でした。万が一会計と基幹の連携で問題が発生したとしても、原因の切り分けがスムーズに進み迅速な解決が期待できると考えました。

山本様

提案時の熱意も感じました。ご提案資料に、さくら情報システムの役員の方々からの熱いメッセージが並んでおり、会社全体でこの案件に向き合ってくださっている姿勢が伝わってきて、他のベンダーにはない強い意気込みを感じました。

佐藤様

ヒアリングの丁寧さも印象的でした。さくら情報システムにとって、リース業界への会計システム導入は初めてとのことでしたが、弊社の業務について深く掘り下げた質問を受けました。その真摯な姿勢から、金融業界に関する豊富な知識と、プロジェクトに対する責任感の強さを感じられました。

導入プロジェクト

― 導入はどのように進めていったのですか。

鈴木様

プロジェクトは2024年4月に要件定義を開始し、1年間かけて進められました。

週次で課題と進捗の報告を行うことにより、ほぼスケジュール通りに進行しました。データ移行作業は、システム刷新における最も大きな関門の一つだったのですが、今回はさくら情報システムが全面的にサポートしてくれたため、非常にスムーズに進みました。夜遅くまで対応いただいたこともあり、迅速かつ丁寧なサポートに感謝しています。

― プロジェクトを通じて、印象に残っているエピソードについてお聞かせください。

山本様

課題発生時にも親身に解決策を検討いただき、プロジェクトの進め方も明確で、常に今後の見通しが立てやすかったです。計画的なプロジェクト管理のおかげで、旧システムのサポート終了期限までに余裕を持って完了することができました。弊社の業務サイクルへの深い理解と配慮にも感謝しています。

弊社は3月決算のため、4月から5月が繁忙期です。さくら情報システムはその点を汲み取り、繁忙期を避ける形でテストや移行のスケジュールを柔軟に調整してくれました。おかげで、主業務に集中しながらプロジェクトを進めることができました。

佐藤様

プロジェクトの各フェーズで何を行うべきか、弊社側で何を準備すべきかが常に明確に示されていたため、我々も動きやすかったです。スピーディーな対応も高く評価しています。メールでの問い合わせには即日回答があり、定例ミーティングでは発生事象、対応状況、未解決課題が常に共有され、プロジェクトの状況が常に可視化されていました。

本稼働後の効果

― Biz∫の導入したことでどのような成果がありましたか。

鈴木様

これまで通りの業務が問題なく遂行できており、安定稼働していることが何よりの評価点です。さらに、承認プロセスの可視化と効率化を図ることができました。

以前は、承認依頼のためにシステム外でPDFファイルを共有フォルダに格納する、といった手間がかかっていました。現在は「Biz∫」のワークフロー機能で申請から承認までが一貫して行え、今どこで承認が止まっているのかが一目瞭然です。申請に証憑などの資料を直接添付できるようになったため、承認者も格段に確認しやすくなりました。

山本様

実際に利用してみて「Biz∫」の良さを実感しています。検索性やユーザーインターフェースも従来のシステムと比較して大幅に向上しています。従来は伝票番号でしか検索できなかったものが、キーワードなどで検索できるようになり、必要な情報へ迅速にアクセスできるようになりました。

本稼働後初めての月次処理も、大きなトラブルなく無事に完了しました。これは、導入後もさくら情報システムに常駐していただき、疑問点をその場で解決できる手厚いサポートのおかげです。問い合わせへのレスポンスも非常に速く、安心して運用できています。

佐藤様

クラウド版である「Biz∫Optima」を選んだメリットを大きく感じています。自社でサーバーを構築・管理する必要がないため、初期コストを大幅に抑制でき、かつ導入後の運用負荷も大きく軽減されました。この判断は非常に良かったと評価しています。

将来展望

― 今後、Biz∫を活用してどのような展開をお持ちでしょうか。

佐藤様

「Biz∫」はモジュールも豊富に揃っていますので、それらを活用して現行の基幹システムで実装されている機能を「Biz∫」に段階的に移行することで、さらなる導入効果を引き出していければと考えています。今回の会計システム導入経験をもとに、基幹システムの再構築を視野に入れていきたいと考えています。

山本様

他社のお取り組み事例や法改正に関する情報をタイムリーにご提供いただきたいです。基幹システムの再構築に向けて、「Biz∫」を活用したご提案をいただくことで、選択肢が広がることを期待しております。

鈴木様

新リース会計基準の導入が2027年4月に控えており、貸手側だけでなく借手側の立場も考慮する必要があります。さくら情報システムには既に手厚くご支援いただいておりますが、新リース会計基準導入までの1年強の期間で、事前対応の準備を進める計画です。

会計システムは、財務部門だけでなく全社員に関わるものと考えています。自社部門の数字だけでなく、全社的な数字がどう作られるのか理解することは、金融サービスを提供する企業として非常に重要だと感じています。現場の社員も会計データを身近に感じ、自社の数字への理解を深められるよう啓発していくような仕組みができたらという思いがあります。今回のシステム刷新を機に、会計システムの役割をさらに広げていければ良いですね。さくら情報システムには継続的な支援をお願いします。

パートナーからの一言

リコーリース様とは30年以上のお付き合いがあり、本件を非常に重要なプロジェクトと位置づけていました。役員も関わるミーティングを重ねるなど、まさに社を挙げて取り組んでまいりました。経験豊富なチーム体制で無事本稼働を迎えられたことに、まずは安堵しております。同時に、リース業界に「Biz∫Optima」を初導入できたことを非常に嬉しく感じています。

このプロジェクトが計画通りに完遂できたのは、リコーリース様が要件定義の段階から具体的なご要望を提示してくださるなど、多大なるご協力をいただいたからに他なりません。現状のご説明はもちろん、「このようなことを実現したい」といった具体的なご要望を挙げていただき、関連ドキュメントのご提供、調査へのご協力など心から感謝しています。

この経験を活かし、今後ご計画されている基幹システムの再構築に対しても、さくら情報システムが持つ知見を最大限に活かし、期待に応えるご提案ができるよう準備を進めてまいります。これからもリコーリース様の事業成長に貢献できるよう、全面的にバックアップさせていただく所存です。お客様からいただいた貴重なご意見はしっかりと受け止め、「Biz∫」を末永くご愛用いただけるようNTTデータ・ビズインテグラル社と共に尽力していきたいです。

(さくら情報システム株式会社)

企業紹介

会社名 リコーリース株式会社

1976年にリコー製品のリース会社として創業、東証プライム上場の金融サービス企業。
リース&ファイナンス、サービス事業、インベストメント事業の3つの領域で事業を拡大し、集金代行や介護報酬ファクタリングなど多岐にわたるサービスを展開。中小企業を中心に約40万社の顧客基盤を確立している。

リコーリース株式会社 様