建設業のデジタルトランスフォーメーション推進を支える 「imforce」建設業統合基幹モデルの実力とは

長谷工コーポレーション様ERP(統合基幹システム)導入事例

お客様の課題

  • 旧システムがレガシーなシステムに逐次機能を追加したことにより複雑化し、業容拡大への対応が難しい状況になっていた。
矢印のイメージ図

解決策のご提案

  • 建設業向けのパッケージソリューションとして完成度の高いimforce建設業統合基幹モデルを導入。
  • 現場を納得させつつ新システムへの移行を促すため、裏側ではパッケージの機能をそのまま使い、現場の人が触れる購買の部分は旧システムに近い画面を開発。

マンション建設を事業の柱とする準大手ゼネコン・長谷工コーポレーション。マンション施工戸数及び施工シェアはトップ(マンション施工累計実績2022年1月末現在 680,663戸)で、業界を牽引する立場を築いている。マンション建設に加え、賃貸マンション・学生寮等へ住宅系建設の幅を広げ、ホテルやオフィス、物流施設などにも事業領域を拡大していく方針だ。グループ全体としては、建設関連事業・不動産関連事業・サービス関連事業を組み合わせ、ハード・ソフト両面から「住まいと暮らしの創造企業グループ」として更なる飛躍を目指している。

同社はこのほど、NTTデータビジネスシステムズが提供する「imforce」建設業統合基幹モデル(以降、imforce)を導入。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた取り組みを強化している。

業容拡大に向けレガシーシステムからの脱却を目指す

長谷工コーポレーションではこれまで、部門ごとにDX推進のための組織を作り、デジタル化を進めてきた。とりわけ設計部門においては、コンピューター上で立体モデルを再現し活用するBIM(Building Information Modeling)の導入に早い段階から着手。2020年度には新規設計物件100%での導入体制を確立した。

ただ、「旧会計/購買システムは、レガシーなシステムに逐次機能を追加してきたことにより複雑化し、業容拡大への対応が難しい状況になっていた」と、経理部門を担当する執行役員の濵田良一氏は語る。

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「旧システムはもともとパッケージ製品だったのですが、もはや元の姿がまったくわからないほどにカスタマイズをし、使用していました。そのため、例えば消費税率変更に対応するだけでも大掛かりな改修が必要だったのです」

簡単にいうなら、すでにシステム自体が限界を迎えていたということだ。2020年3月期までの前中期経営計画で、今後の成長に向けて汎用性の高いシステムに更改する方針が掲げられたことをきっかけに、経理部門も業容拡大に耐えるシステムの実現に乗り出す。当時使っていた会計/購買システムのサーバー機器の延長保守切れを機に、濵田氏をプロジェクトマネージャーとして、会計/購買システムの再構築プロジェクトが動き出した。

ユーザーニーズに応える真摯な提案力を評価

新たなソリューション選びに入った同社。選定に際し同社が考えていた要件について、プロジェクトリーダーを務めた経理部チーフの田所俊和氏は次のように話す。

「新システムは、まずはパッケージ製品であることが大前提でした。汎用的なパッケージであれば業務改善につながる標準的機能が盛り込まれていますし、法令改正や税率変更といったケースにも安定的なバージョンアップで対応することが可能なので、とにかくパッケージを導入し、どうしても当社独自の要件を適用したいところはアドオン開発をお願いしよう、というのが基本方針になりました」

複数社からの提案を受け、RFI発出先はほぼ決まりかけていた。そのタイミングで、後発で提案を行ったのがNTTデータビジネスシステムズだ。後発でありながら他社の数倍にも及ぶ分厚い提案書を出したNTTデータビジネスシステムズの姿勢に、「当社のことを考え、一緒になって取り組んでいきたいという熱意を強く感じました」と田所氏。もちろん熱意だけでなく、いたるところに同社をうならせる提案があったという。

例えば、経理部門だけでなく購買部門とも協議しながら再構築していくシステムであるため、購買部門との調整も図っていかなければならなかったが、その点でもNTTデータビジネスシステムズの提案が有効だったと濵田氏は振り返る。

「当社では、常時200を超える施工現場があり、旧システムと画面があまりに変わると現場から芳しくない反応が出る可能性もあるため、その旨相談したところ、裏側ではパッケージの機能をそのまま使いつつ、現場の人が触れる購買の部分は旧システムと似た画面を開発してくれるとのことでした。また、他社にはパッケージ外ということで後回しにされた、複数の発注者による工事案件への対応など、当社特有の要件にも適切な対応を検討してくれましたので、これはNTTデータビジネスシステムズにお願いするのがいいだろうという話になりました」

同社はゼネコンであるため、やはり現場の力は強い。とはいえ現場の要望だけを聞き入れ、パッケージから離れた機能を作り込むのではパッケージ活用による標準化という大前提が崩れてしまう。現場を納得させつつ新システムへの移行を促すうえで、とりわけ前者の旧システムに似た画面を開発するというNTTデータビジネスシステムズの提案はまさに「目からウロコ」だったと濵田氏は回顧した。

業務改善の効果が表れ、さらなるシステム活用に弾み

NTTデータグループの信頼性や選定における提案力、パッケージソリューションとしての完成度、製品を熟知した技術者のプロジェクト参画に象徴される人材層の厚さなどを評価して、同社は最終的にNTTデータビジネスシステムズを選定。「imforce」を活用した新システム開発プロジェクトが2018年1月にスタートした。

プロジェクトがスタートしてすぐのグランドデザインフェーズから、NTTデータビジネスシステムズの開発担当だけでなく、営業担当も一緒に、週に何日も同社を訪れ、ヒアリングと打ち合わせを重ねた。

田所氏は「NTTデータビジネスシステムズは、プロジェクトを推進するうえで当社のチームメンバー構成を踏まえ、最適なプロジェクトチームを編成してくれました。そのため、各種の課題に対してNTTデータビジネスシステムズのどのチームに相談をすればよいかが明確で、円滑にプロジェクトを推進することができました」と振り返る。

開発フェーズ終盤でコロナ禍を迎え、対面での打ち合わせが難しくなってからも、Web会議ツールを活用した密なコミュニケーションが続けられたという。対面ではないため情報伝達に齟齬が出る場面も当然ながらあったが、田所氏は「とにかく何度も話し合い、一つ一つの課題に対処していきました」と振り返る。本稼働直前にはデータ移行で苦労するところもあったものの、NTTデータビジネスシステムズの開発体制の手厚さと人的リソースのパワーで解決できたと評価する。

2020年10月の本稼働後、経理の現場で作業時間が減っていると田所氏は言う。とくに、旧システムで必要だったデータ記帳時のバッチ処理が不要になり、その処理の待ち時間が大きく削減されたといい、「最も忙しいときで2時間程度の削減効果があったのではないでしょうか」と語る。併せて、システム稼働後におけるNTTデータビジネスシステムズのサポートについては、「決算時期にNTTデータビジネスシステムズの技術者が当社にてサポートしてくれたこともあり、大きな混乱もなく、円滑な決算業務が推進できました」と稼働後の定着支援の手厚さについても評価する。

さらに「imforce」を導入したことで東京と大阪2拠点の業務共通化が進展し、作業標準化の効果が出ているという。

「NTTデータビジネスシステムズは常に当社の業務を積極的に理解しようという姿勢で臨み、それを基に当社の課題を汲み取った効果的な提案をしてくれました。今後もシステムの活用を進め、さらなる業務効率化を図っていくことを考えていますが、長谷工コーポレーションだけでなく、グループ全体への展開も視野に入れています。引き続き、当社の要望をきちんと酌んだ最適な提案を期待しています」と、濵田氏は今回のプロジェクトを振り返りつつ、これからの展望も語ってくれた。NTTデータビジネスシステムズも、自社のリソースに加えてNTTデータグループの総合力も活かし、長谷工コーポレーションの期待に全力で応えていく考えだ。

※掲載している情報は、取材時点(2022年2月17日)のものです。
※本文書は、株式会社NTTデータビジネスシステムズの記事を再編集したものです。
※「imforce」は、株式会社NTTデータビジネスシステムズの登録商標です。
※「imforce建設業統合基幹モデル」の詳細はこちらよりご確認ください。