~わずか9ヶ月間で導入に成功、事業・組織・顧客別の多軸分析でビジネス判断を加速~

アルプス システム インテグレーション(以下:ALSI)様は、アルプス電気株式会社の戦略的情報システム子会社として1990年に創業以来、製造・流通ソリューションサービス、セキュリティソリューション、ファームウェアソリューションを核に、お客様に最適なシステムをご提供されております。

また、アルプス電気をはじめ企業のITをサポートしてきた経験・実績を活かした多彩なソリューションを提供し、多数のお客様にご利用されています。

このたびALSI様では、IT業界向けに最適化した「Biz∫ITテンプレート」の導入を決定し、4月より稼働を開始しました。「Biz∫」導入に際しては、短期導入方法論「Quick-Integral(クイックインテグラル)」手法を採用し、わずか9ヶ月間での導入を実現し、「Biz∫ITテンプレート」の本稼動を開始したファーストユーザとなりました。 導入に至るまでの背景と実際の声を、取締役 小野管理部部長、全社品質・社内システムグループ 酒井主任技師、製造流通ソリューション事業部 横川様に伺いました。

※所属部署名はインタビュー時(2014年6月)の名称となります。

導入前の課題と効果

導入前の課題

  • 従来型ビジネスを主体とした仕組みに追加拡張機能を加えた”つぎはぎ”のシステム
  • ビジネス別の業績管理ができていない
  • 経営情報が一元化されておらず、迅速な経営判断が難しい

導入効果

  • ビジネスの変化に対応したシステムの柔軟性や拡張性の向上
  • 「事業」「組織」「顧客」別の多軸分析の実現
  • 経営情報の可視化による意思決定の早期化と構造改革の実現

導入背景

Biz∫導入に至った背景を教えてください。

小野様

創業当初、弊社のビジネスの主体は機器販売や受託開発事業でしたが、技術の進展や事業環境の変化などに伴い、弊社のビジネスモデルが多様化してきました。現在は、従来のビジネスに加えて、ソフトウェアのライセンスビジネスやクラウドなどのサービス提供型ビジネスなど計11のパターンに拡大しました。

このような多種多様なビジネスを展開するため、旧システムでは従来型ビジネスを主体とした仕組みにアドオン(追加拡張機能)を加えた”つぎはぎ”のシステムとなっていました。今後のビジネスモデルの多様化を旧システムで対応していくには、大規模改修によりコストがかかりすぎることや、旧システムのプラットフォームの動作が遅いという問題があり、限界を感じていました。 さらに、各ビジネスの投資と回収を把握するため、多軸での業績管理が可能なシステムが必要とされていました。

多軸業績管理とは?

小野様

具体的には、事業別、組織別、顧客別の3軸で業績を分析し、迅速に経営判断を下せる仕組みです。旧システムでは、プロフィットセンター(業績部門)単位での管理しかできておらず、ビジネス毎の業績管理に対応できていませんでした。 新たな投資・事業展開を実施するにあたって、ビジネスの実態をより掴める仕組みへの刷新が求められていました。

案件別損益管理から多軸業績管理へ

 

【変化の時代を乗り切る社内システム ~ビジネス別の多軸業績の見える化~】

Biz∫導入は、構造改革の一環であったわけですね。Biz∫を採用したのはどのような理由でしょうか?

小野様

「Biz∫」が3,300社以上の導入実績を誇るシステム基盤「intra-mart」上で稼働する唯一のERPであることが最大の理由です。 旧システムにおいても、自社開発の社内経費・旅費精算システム「ECOAS」など「intra-mart」上で稼働実績を持っており、開発ノウハウも豊富でした。ERPパッケージの機能で実現できない機能を「intra-mart」の同一の基盤の上に柔軟に拡張できる点も要件に合っていました。

導入プロジェクトの概要

プロジェクトの概要を教えてください。

小野様

「新システムは、「intra-mart」を基盤とした「Biz∫ITテンプレート」並びに「グループ共通会計システム」から構成されます。プロジェクト名を「eVA(e Value by ALSI)」と名付けたこの社内システムは、2014年4月より本稼働を開始しました。 「Biz∫」では、受発注や売上管理などのフロント業務及びビジネス毎の業績管理を行っております。さらに、旧システムのうち「intra-mart」上で稼働していたものは、同一基盤上でBiz∫と連動して稼働する仕組みとし、既存ソフトウェア資産を有効活用しています。

プロジェクト開始から本稼働までわずか9カ月間の短期間導入を成し遂げましたが、その要因は?

横川様

「まず、新システム導入時にBiz∫社が推奨する「Quick Integral」手法を採用したことが挙げられます。「Quick Integral」は、Biz∫を効率的に導入するための導入メソッドであり、短期導入に有用なツールや成果物サンプルなど、導入に必要なノウハウやひな形類がまとめられており、極力標準機能を利用することを推奨しています。

また、短期間導入が成功した要因として、業務に精通したリーダークラスで構成された少数精鋭の体制で進めたことも要因です。 少数精鋭の体制で進めたことで、要件定義/基本設計に3ヶ月間、パラメーター設定/アドオン開発3ヶ月間、移行/テスト期で3ヶ月間の計9ヶ月間という、当初のスケジュール通りに導入を完了することがことができました。

導入にあたってご苦労されたことがあれば教えてください。

小野様

お蔭様で特に大きなトラブルはなかったですね。 導入過程で発生した課題に対しても、Biz∫社の開発メンバーと協力して都度解決を図ってきました。 しいて挙げるならば、「Biz∫」の標準機能が自社の管理会計手法と異なる点があったということでしょうか。アルプスグループでは、原価計算においてABC(Activity Based Costing 活動基準原価計算)を採用しており、例えば、販管費の配賦に関しては”ビジネス単位”の配賦に対し、「Biz∫」の標準は”会社単位”だったため、アドオン開発を行いました。 他には、「Biz∫」の労務費の標準は”工数ベース”ですが、弊社では、工数に加え開発者毎の単価を加味した手法を採用しています。但し、これについては自社の業務に合わせ改変することはせず「Biz∫」の標準に合わせました。まずは実際に運用しながら、大きな問題となるようであれば直していくという考え方でおります。

導入効果については如何でしょうか。

小野様

4月に稼働開始し、2回の月次決算を無事完了しました。

横川様

複数年ライセンスビジネスの管理会計を新たに「Biz∫」で行うことになったことで、業務処理速度が向上しました。旧システムに比べ、全体的に操作レスポンスが速くなっています。

小野様

ビジネス別の業績管理については、まずは11のビジネスパターンの原価や業績データを新システムで集計できる仕組みができたことで、部門を横断した情報共有が可能となりました。 最終目的は、可視化したデータを使って迅速な経営判断をすることです。今後半年~1年かけてデータを蓄積し、投資対効果を検証していきます。 現場を巡回して各部門での利用状況や課題をヒアリングしながら、さらに全社を挙げて効果的な活用に取り組んでいきます。

今後の計画

今後の計画についてお聞かせください。

小野様

当面は、当初の目的である、各種集計データを活用した迅速な経営判断の実現を第一に進めます。 その先の将来構想についてはまだアイディアレベルですが、より精度の高い業績管理ツールとしての活用方法を検討していきたいですね。 例えば、3軸での予算管理もその1つです。 新システムには、案件別の業績管理の精度を高めるべく、営業費を従事実績で直課する仕組みも取り入れましたが、将来的には業績結果にとどまらず、見積もり時点での計画に対しての実績対比を「Biz∫」の同一基盤上に実装するなど、案件別の計画対比や日々のプロジェクト管理に有効活用できるような仕組みづくりにチャレンジしたいですね。

請求書出力機能の保守契約管理への活用など現状の課題の改善を図り、「Biz∫」を活用して社内業務のさらなる効率化に努めていきたいと考えています。

最後に、今後の抱負をお願いします。

横川様

弊社のコアのソリューションとして「Biz∫」をお客様にご提供して参ります。 弊社の得意とする製造業や流通業のソリューションへビジネス領域を広げて幅広い分野のお客様の課題解決に貢献していきたいと考えております。

弊社は、「Biz∫ ITテンプレート」の本稼動を開始したファーストユーザとなりました。今後は、新システム導入による効果検証と課題改善を進め、ALSIだけでなく、お客様の企業付加価値向上のお手本となれるよう、より良いシステムを追及していきます。

「intra-mart」そして「Biz∫」をベースとした「Biz∫ ITテンプレート」は、IT業特有のプロジェクト原価管理に適した統合基幹業務システムであり、経営データを「見える化」することでビジネス判断を加速し、利益を最大化し強い企業体質を作るための構造改革を成し遂げるためのものです。 今回の「Biz∫」導入により弊社の事業拡大につながり、さらに社内導入で実践した経験を通じてお客様のビジネスを加速させるお手伝いができるよう、弊社一丸となって取り組む所存です。

どうもありがとうございました

会社概要

会社名アルプス システム インテグレーション株式会社
代表者代表取締役社長 麻地 德男
設立1990年4月2日(平成2年)
資本金2億50万円
従業員数276名(2014年6月現在)
事業内容・製造流通ソリューション事業 ・セキュリティソリューション事業 ・ファームウェアソリューション事業
※本事例に記載の情報は、2014年6月時点のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。