サブスクリプション(subscription)とは、「定期購読、定額制」といった意味の英単語です。サブスクリプションサービスとは、月額料金等の定額を支払うことにより、契約期間中、商品やサービスの利用が可能となるものを指します。

 サブスクリプションサービスは比較的新しいビジネスモデルですが、動画や音楽、電子書籍・雑誌等のデジタルコンテンツ、ソフトウェアなどではサブスクリプション型での提供が普及しつつあります。デジタルコンテンツ等以外においては、従来から定期購入・頒布会といった売り切り型の販売が行われてきましたが、最近ではこれらの非デジタル商品についても、一定期間利用できるサービスとして提供されるようになってきました。

 市場規模は右肩上がりで成長しており、国内BtoCのサブスクリプション市場規模は、2019年の1.1兆円から2023年には1.4兆円になると予想されています。※1 また、アプリケーションやクラウドサービスのサブスクリプションなど、主にBtoB向けのサブスクリプションも増えてきています。BtoBの領域を加えると6兆円規模のマーケットになると予測されています。※2

 「情報通信白書」によると、一般向けのコンシューマー向けのコンテンツ配信サービスのビジネスモデルについて「広告収入型モデル」(主として無料)と「課金型モデル」(有料)の2つに大別しています。そのうち、前者のモデルについては、インターネット広告の拡大とともに利用が拡大してきたが、後者については、動画配信サービスにおいて、従来のダウンロード課金型サービスに対し、定額制(サブスクリプション)サービスのシェアが大きく上昇しています。今後の市場規模は、ダウンロード課金型が横ばいであるのに対し、定額制(サブスクリプション)は伸長すると見込まれています。

 サブスクリプションを提供する事業者側のメリットは、持続的で安定的な収益が見込めることです。また、消費者と継続的な関係が構築されることで、事業者はさまざまな情報を得ることができ、サービスの向上や新たなサービス展開が可能です。一方、消費者のメリットは、所有する必要がないため、初期投資を抑えられることです。

 今後は、AI(人工知能)などの活用により、個々の消費者の嗜好や利用状況データに基づいた新サービスが広がることが予想されます。実際に、デジタルだけでなく非デジタル分野に利用が広がっています。

 動画配信、音楽配信、アプリケーション、ファッション、書籍・漫画、玩具、家電、家具、飲食、自動車など多くの業界で、サブスクリプションサービスが提供されています。

参考文献

総務省「令和3年度版 情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd105210.html