薬機法とは、医薬品や医療機器などの品質、有効性、安全性を確保することによって、保健衛生の向上を図ることを目的とした法律です。

 消費者にとって薬機法は大変身近なものです。

 例えば、インターネットで販売される一般用医薬品は、誰もが販売できるわけではなく、薬局又は店舗販売業の許可を受ける必要があります。また、処方せん医薬品は、医師の処方せん無しでは入手できません。海外で承認されている医薬品であっても、日本で許可なく販売することはできません。

 こうした医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品に関わる主な規制が薬機法で定められています。

 薬機法の前身は「薬事法」であり、1961年に施行されましたが、2014年に法律改正により「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と名称が変わり、略して「薬機法」と呼ばれるようになりました。この改正の背景には、安全対策の強化、医療機器やiPS細胞など再生医療製品の特性を踏まえての規制構築がありました。

 2019年の改正では、「薬剤師・薬局のあり方の見直し」「地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の認定」「テレビ電話等による服薬指導の一部解禁」などの項目が新たに見直されました。

 2021年8月には、虚偽・誇大広告に対する課徴金制度が導入され、違反者への対応がより厳しくなりました。近年、医薬品等に関する虚偽・誇大広告が後を絶たず、薬機法上の許可を得ていない事業者が勝手に広告販売を行っている事案も増えています。

 さらに、個人輸入された医薬品等の使用による健康被害の事例が報告されており、厚労省で注意を呼びかけています。

 医薬品や医療機器等は、品質や有効性、安全性の確保が必要です。そのため、薬機法に基づき「開発」「承認」「製造」「流通」「使用」の各段階で必要な規制が行われています。

参考文献

厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/000693248.pdf

厚生労働省「課徴金制度の導入について」
https://www.mhlw.go.jp/content/000609186.pdf