企業会計原則とは、企業会計の実務において慣習として発達したものの中から、一般に公正で妥当だと認められたものを要約したものです。いわば日本のあらゆる企業に求められる会計のルールです。

企業会計原則は、1949年に経済安定本部企業会計制度対策調査会から公表されています。法令ではないため、法的な拘束力や罰則などはありません。しかし、企業が遵守すべき原則として、長らく使われています。

企業会計原則は、4つの項目で構成されています。

1)一般原則、2)損益計算書原則、3)貸借対照表原則、4)上記を補足する注解

企業会計原則のうち、上記1)一般原則が企業会計全般に関わる基本原則となっており、真実性の原則、正規の簿記の原則、資本取引・損益取引区分の原則ほか、7つの原則から構成されています。

この中で、企業が報告すべき財務諸表の内容が、真実なものであることを要請するもので会計処理の方法や表示などを毎期継続して適用し、原則変更してはならないこと、会計は単一の手続きや手法で行うべきものであることなどを規定しております。

なぜ「企業会計原則」があるかというと、何かしらのモノサシがないと過去年度や他社との比較分析ができないため、企業としての的確な意思決定ができなくなってしまうからです。

なお、各省庁が所管する独立行政法人の会計について、原則として企業会計原則に従うこととされていますが、営利を目的とする民間企業との制度の前提や財務構造等の違いを十分に考慮することが求められています。

日本の会計のルールは世界と異なりますが、昨今の企業活動のグローバル化、海外投資や資金調達先の拡大などを背景に、国際的に会計ルールを統一しようとする動きが加速しており、今後の動向が注視されます。

参考文献

内閣府NPOホームページ「特定非営利活動促進法における会計原則の規定と企業会計原則との関係について」
https://www.npo-homepage.go.jp/uploads/report28_3_shiryo_5.pdf
https://www.npo-homepage.go.jp/

国税庁「法人税法と商法、企業会計の相互関係と 今後調整すべき課題について」 
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/51/08/ronsou.pdf

財務省「独立行政法人会計基準の設定について」
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseif150303a/zaiseif150303a.htm