BIMとは、Building Information Modelingの略で、コンピュータ上に作成した3次元の形状情報に加え、室などの名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げなど、建築物の属性情報を併せ持つ建築情報モデルを構築するシステムのことです。BIMは「ビム」とも呼ばれ、コンピュータで3Dの建物情報モデルを構築 することを指します。

 建築では以前から設計にCADが使われていましたが、CADでは平面図や立体図などの図面を別々に作成し、壁や設備などの属性情報は図面とアナログに連携する形でした。そのため、修正や制作に時間がかかり、建設後の設計情報の利用がしにくいといった問題がありました。

 BIMでは、3次元形状で建物を分かりやすく可視化できるため、コミュニケーションや理解度が向上します。また、設計から施工、維持管理にいたるまで、建物のライフサイクル全体で設計情報を活用することができるので、建築物の品質や性能を向上させ、業務効率の改善にも繋がります。建築設計の新しいワークフローと言えます。

 海外では、国が発注する設計や工事におけるBIMの利用が進んでいます。

 例えば、イギリスでは2016年に国が発注する一定規模以上の設計や工事に対してBIMの利用が義務化されています。アメリカやドイツなどでも、国が発注する建築に対するBIMの利用が義務づけられています。日本でも、国土交通省が2025年度から全ての公共工事においてBIMの原則適用が義務づけられることになっていましたが、当初の予定が2年前倒しされ、2023年度からBIMの原則適用が義務づけられることになりました。

参考文献

国土交通省「建築BIMの将来像と工程表」2019年9月
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/001351969.pdf

国土交通省「令和5年度のBIM/CIM原則適用に向けた進め方」令和3年3月
https://www.mlit.go.jp/tec/content/001389577.pdf

国土交通省「「BIM ガイドライン」の策定とその運用について」平成26年3月
https://www.mlit.go.jp/common/001029773.pdf