株式会社トヨタIT開発センター

Biz∫を導入・活用していただいているお客様の事例をご紹介いたします。 グループ企業トップのトヨタ自動車は、我が国にとどまらず世界最大手の自動車メーカーとして知られている。その優れたプロダクツの先進技術研究を担うのが、トヨタIT開発センター(本社・東京都港区)だ。とりわけ、テレマティクス(自動車などの移動体通信サービス)やITS(高度道路交通システム)など、クルマにおけるIT技術研究を強みとし、従事するおよそ70名の研究者やリサーチャーが国内外の研究機関やアカデミズムと連携。さまざまな先端技術の探索や研究、開発、評価を通して、次世代のより豊かなクルマ社会の実現を目指している。

導入前の課題と効果

導入前の課題

  • 予算執行に関する帳票回付やそれに基づく手集計、手入力の煩雑化が顕著となり、迅速かつ正確に予算執行を把握、処理するしくみを整える必要に迫られていた。
  • 海外や遠隔地からの出張精算・立替精算の申請や承認に、柔軟に対応可能な環境の整備が求められていた。
  • 導入に際して、コストを抑えつつ、本稼働まで短期間で立ち上げる実現性が課題として挙げられていた。

導入効果

  • 申請の電子化により回覧業務を効率化。また、申請内容に基づきリアルタイムで予算執行状況の把握が可能になり、円滑な予算執行、スピーディな経営判断が可能となった。
  • システムをクラウド環境(Amazon Web Services)上に構築。担当者や管理者の遠隔地、海外への出張時にも申請・承認業務が可能となった。
  • 「Biz∫APFワークベンチ」を活用しワークフロー画面開発を効率化。また、豊富な標準機能の活用によりカスタマイズ範囲を極小化し短納期での導入を実現。

課題解決までのレポート

会計フロントfor Biz∫のスピード導入によって仕訳作業軽減、コスト抑制、予算執行の円滑化を推進

「当社スタッフは、国内・海外を問わず、あらゆる国や地域の大学や研究機関、ベンチャー企業などのもとへ赴き、技術動向の調査やプロジェクトにおける協働を行っています。出張の頻度も多く、旅費以外の精算処理が紙ベースであったため、経理業務の煩雑化が深刻な状況でした。また稟議についても、判断を下す上長が不在の場合はスピーディな承認が適わず、研究そのもののスタートが遅延してしまう恐れも懸念されていました。そこで紙による帳票回付を廃止し、データ入力・管理を電子化することによって、業務の効率化とコストの削減を図ろうと考えていました」とは、総務部経理・経企グループのプロジェクトマネージャー、山口 亨氏の弁。上述の諸問題を早急に払拭すべく、2014年秋の段階では既にシステムの選定作業に入っていたという。

「ちょうど同時期、わたしの上司がNTTデータビジネスシステムズ主催の会計セミナーへ参加する予定になっていました。諸事情から当日の出席は叶わなかったのですが、後追いでNTTデータビジネスシステムズの担当者がフォロー営業に来てくださり、会計フロント for Biz∫ を提案してくれたのです」

「わたしたちは、常にあらゆる面で研究成果の最大化を目指しています。例えば、出張時の渡航先でスタッフが契約や資材調達に携わるケースもあるでしょう。本来であれば稟議を上げ、上長からの承認を受けて支払いに至りますが、そうした一連の流れにおいてロスが生じると貴重なビジネスチャンスを失いかねません。また、予算執行の状況は四半期に一度まとめられて社内で共有されます。これがリアルタイムで共有・把握できるようになれば、承認側はより迅速な経営判断を下せます。つまり100の成果を110、120に変えられるチャンスにつながるんですね。会計フロント for Biz∫ は、わたしたちのニーズをさまざまな部分で満たしてくれるツールだったのです」

さっそく11月にはプロジェクトチームが発足され、翌2015年3月のカットオーバーを目指して要件定義がまとめられていった。競合他社からの提案もあったが、機能面に一長一短があり、何よりも本稼働までの短納期がネックとなった。そこでNTTデータビジネスシステムズは”どこまでが可能か”、”どうしたら可能になるか”を明確に提示。段階的な導入によって負荷を掛けることなく、営業・開発部門が一丸となってスピーディな導入を実現した。

「かなりタイトなスケジュールではありましたが、企業と企業の垣根を越えたチームとしての一体感を感じていました。稼働直前には開発担当の方が当社に常駐してくれるなど、関係スタッフ皆さんの手厚いフォローとフレキシブルな対応にも助けられました」とは、同グループのアシスタントマネージャーである臺 布佐代氏。無事、入力や仕訳などのフロント業務機能を3月に、管理会計モジュールを9月にリリースし、稟議申請~承認までのリレーションをスムーズに行えるようになった。稼働から約半年経った今、目に見えるトラブルもほとんどなく業務のスマート化が実現。使い勝手は確実に高まっている。

選択の決め手

豊富な経験に裏打ちされた各種施策が信頼と絆を醸成。細やかな対応力でプロジェクトの進行をバックアップ。

本システムの導入で得られたメリットを整理すると、以下の3つが挙げられる。

①各種申請の入力やデータ管理・承認がWEB化されたことによって、それまで煩雑だった経理入力作業をよりスムーズに行えるようになった。
②クラウド環境を構築したことで遠隔地からの精算が可能に。またペーパーレス化によって経費と時間が大幅に節約できた。
③Biz∫会計のモジュール活用によって、予算と出費をリアルタイムで把握することができ、円滑かつ効果的な予算執行を実現できた。

「当社会長からの至上命題として『プロジェクトを成功させる鍵は、いかにして準備を整えるかだ』と示達が下っていました。決め手はズバリ、NTTデータビジネスシステムズさんの言葉に”嘘がなかった”ことですね。事前にできることとできないことをありていに相談いただき、こちらの要望や疑問にも真摯に耳を傾けてくれました。意思疎通の齟齬もなく、信頼できるパートナーとして手を携えていけると確信したのです」

山口マネージャーがそう語るように、NTTデータビジネスシステムズ担当スタッフの工夫が評価へとつながっている。打合せや報告会議でのペーパーレス化を行ない、連絡やプレゼンテーションを電子化。スピード感を損なわないキャッチボールが続けられた。また、独自に開発したドキュメントによって情報の社内共有を図りながら、Biz∫の機能のひとつであり業務要件を正確なイメージで確認できる「Biz∫APFワークベンチ」を用い、実際の運用イメージとのミスマッチを払拭した点にもフォーカスしたい。一部機能の段階的導入が進行のスピードアップに貢献したことも含め、密度の濃い議論が重ねられ、システム導入時に起こりがちなタイムラグを軽減していった。現在は、使い勝手の面でカスタマイズが検討され、さらなるブラッシュアップが予定されている。

将来の展望

intra-martを介して他の会計システムとも連携。拡張性を活かしたワークフローの最適化を視野に。

会計フロント for Biz∫ のメリットは、親和性の高いシステム共通基盤であるintra-martとリンクしながら、より多様なタスクにも対応できる拡張性にある。今後の展望を伺うと、興味深い意見が山口マネージャーから発せられた。

「将来的には会計システム全体のリレーションも視野に入れたいと考えています。が、総務として、実は会計以外の応用にも期待しているんです。先端技術に触れる機会の多いスタッフは、まだ誰も知らない革新的なテクノロジーを実用化につなげる、いわば”技術の目利き”。研究者同士がオープンな”ワイガヤ”を通して情報交換を行うなど、社内のコミュニケーションツールとしてintra-martを活用していきたいですね」

設立から15年。クルマを取り巻く社会のIT化が進む昨今にあって、同社はグループ内での期待度やプレゼンスを急激に高めつつある。今回の会計フロント for Biz∫の導入・運用を契機に、研究者それぞれがイノベーションの創出に注力できる環境を整えられた意義は大きい。その先には、よりよいクルマ社会の実現が待っている。

導入パートナーからのひとこと

今回のシステム導入の課題は、本番運用まで約3ヶ月間という短期導入が必須であった点です。 プロジェクトをいかに早く立ち上げるかが重要であり、キックオフ当日からお客様と議論を重ねました。打合せ以外もメールや電話等で頻繁にやりとりし、プロジェクト発足から一週間で、次々と課題が解決され、要件がどんどん固まっていきました。
そのような密度の高い立ち上げができたときに、お客様との一体感が生まれ、その後も良い形で本番運用までプロジェクトを推進できたと思います。
その背景には、通常業務と並行した導入作業の実施、他部門との調整など、お客様におかれましては多くのご苦労があったことと思います。プロジェクトに関わった皆様に心から感謝しております。
本番運用開始後も追加要件を頂いており、引き続きお客様の業務に価値を出せるよう、弊社の営業・開発が一丸となってサポートしてまいりますので、今後とも宜しくお願い致します。

会社概要

所在地東京都港区赤坂6-6-20
代表者代表取締役会長 井上 友二
代表取締役社長 谷口 覚
設立2001年1月12日
資本金30億円
事業内容自動車にとって有用なITや先端テクノロジーの研究を担うほか、市場・ビジネスモデルなどの調査・分析・計画を通して、よりよいクルマ社会の実現をミッションとしている。
※本事例に記載の情報は、2015年9月時点のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。 ※本事例は、株式会社NTTデータビジネスシステムズのサイトから転載したものです。